●はじめに：
水星逆行前、８月30日に行われた選挙に関して考えたことを書こうと思います。
ここでの目的は、選挙結果とチャートから見てとれる象徴＆意味との照合です。
現在の天体配置から、何をどう読むことができるのか。それを探ってみたいというのが動機で、
政治的観点から選挙結果の分析を試みる意図はないです。
＃自分の最大の興味と関心の的。それは選挙の勝敗の分かれ目を、
＃大敗と大勝の違いを、どう読むか？にあります。
占星術上、さまざまなアプローチの方法があると思われます。
当ページでは邪道モードで、ハウスシステムを使用せず当日の天体配置のみで考えます。
●チャートの補足：
チャートは、選挙当日の「午前零時：東京」で計算したものです。
「イベント図」として読むためのチャートではなく、「当日のトランジット天体配置とその状況」を
確認するために作成したものです。
＃便宜上「ホールサイン」のハウスシステムで計算しています。
＃天体のアスペクト線の種類や色分けは自分仕様のものです。
▼天体の割り当て、キャスティング：
現在、３回目のアスペクト完成目前の「乙女土星と魚天王星180度」に着目。
（目下最重要注目事項なので。これ抜きでは語れません！）
現代占星術で「土星」と「天王星」が象徴するキーワードそのままで。
ひねりなしの直球で。以下のように見立てます。
☆「乙女土星」＝自民党（保守：与党）
☆「魚天王星」＝民主党（革新：野党）
例によって。マイブームの古典占星術の「天体のエッセンシャル・ディグニティ」と
「レセプション」の観点から進めます。
▼天体の品位「エッセンシャル・ディグニティ」：
まずは。天体の品位のチェックです。
★乙女土星（自民党）：天体の品位「ぺリグリン」
★魚天王星（民主党）：天体の品位「対象外（判定不能）」
ここで「天体の品位」を、「天体の力、行動力」の強さの度合いを表すものと考えると。
乙女土星（自民党）の天体の「ぺリグリン」の状態は、あまり良くないです。
解釈として思い浮かぶのは「住所不定」「腰が据わらず」「不安定」な状態で。
行動するための「安定感」に欠け、「行動力」は今ひとつで弱い印象です。
一方の魚天王星（民主党)の方はというと。
「天体の品位」は古典的な占星術で使用される概念なので。
当然ながら天王星は「対象外」ですが。
個人的応用拡大解釈で。あえて考えるなら。
「天王星、海王星、冥王星」の各天体のパワーは
長期的かつ無自覚で強大で、コントロール不能と思えるので。
無理やり例えると、おおむね「ぺリグリン」。ひとたび事あらば「デトリメント」になり。
時に「エグザルテーション」と化すことはあれども、あっという間に「フォール」するという。
そんな感触＆イメージです。
外惑星は時として制御不能なパワーを発揮しますので。天体の力そのものは強大なので。
単なる「ぺリグリン」よりも、どう転ぶかわからない「不安定」な状態を示すように思えます。
▼レセプション「天体間のアスペクトの状況」：
古典的なアスペクト解釈に「レセプション」という概念があります。
通常のアスペクト解釈との違いは、一方の天体がもう一方の天体の居るサインの
ルーラーであるかどうか？です。
ルーラーであれば「レセプション」が成立。そうでなければ通常の「アスペクト」です。
両方の天体が互いのサインのルーラー同士であれば「ミューチュアル・レセプション」となります。
通常、古典的な解釈では「レセプション」を伴うアスペクトは、事態をより良好な結果に導くとします。
サインのルーラー側がホスト、当該サイン滞在天体をゲストとみなして、
ゲスト天体はホスト天体から「歓待され、もてなされる」という例え話もあります。
注意事項として。「レセプション」を判定する際は、「同一サイン内の天体の合」と、
サイン間での「60度、90度、120度、180度」のアスペクトのみが対象となり、
「30度＆150度」のサイン間は「アスペクトできない」状況とみなします。
＃「通常のアスペクト」と「レセプションを伴うアスペクト」の影響にはどんな違いがあるのか？
経験則からの私見ですが。「レセプションを伴うアスペクト」の方が。
良くも悪くも影響力が強く、優先順位が高いと感じます。
天体に対して「通常のアスペクト」と「レセプションを伴うアスペクト」の
２種類がある場合、自分は「レセプションを伴うアスペクト」の方を重視します。
例：★牡羊水星と獅子火星（レセプション有）＞★牡羊水星と獅子木星（通常のアスペクト）
アスペクトに特定サインのルーラーが関わることによって、両天体間に「強いシンパシー」が発生し、
当該事象における両天体の「関連度、巻き込まれ具合、密着度」が高まるからです。
ということで。次に、それぞれの天体の状況を確認してみます。
●乙女土星、魚天王星のレセプションの状況：
まずは乙女土星（自民党）から。
★乙女土星（自民党）と天秤水星（ドミサイル＆エグザルトのルーラー）＝「レセプション不成立」
乙女サインの「ドミサイル＆エグザルテーション天体」の水星は、天秤にイングレスしたばかり。
乙女土星の次のサインにいて、乙女土星とはアスペクトしていません。
そして魚天王星（民主党）は。
★魚天王星（民主党）と水瓶木星（ドミサイル・ルーラー）＝「レセプション不成立」
魚サインの「ドミサイル天体」の木星も、手前の水瓶サインにいて、魚天王星とアスペクトしていません。
乙女土星（自民党）も魚天王星（民主党）も、
どちらも自分の居るサインのドミサイル天体とのアスペクトがありません。
レセプションの観点から、この状態を例えるなら。
「ホストが居なくてゲストとして十分もてなしてもらえない」状態。
糸の切れた凧、監督不在で試合する野球チーム、教師が休みで自習中の教室。
自動車教習所で、教官の同乗無しで走る教習車というような、そんなイメージです。
しかし。ここで要注目です！
●乙女土星と天秤水星の、30度サイン間のＭＲ
自民党に見立てた「乙女土星」とドミサイル天体の「天秤水星」は。
広義の「混合：ミューチュアル・レセプション」のケースに該当します。
☆乙女サインのドミサイル＆エグザルト天体： 水星
☆天秤サインのエグザルト天体： 土星
隣り同士の30度のサイン間は、本来は「アスペクト不能」ですが。
ここでの乙女土星と天秤水星を「混合のミューチュアル・レセプション」とみなすなら、
両天体は「お互いをエグザルトしつつ、受け取り合い、歓迎しあって、もてなしあう」ことが
可能となります。
＃ここで疑問が生じます。
エグザルト同士の「ミューチュアル・レセプション」だというのに。
どうしてエグザルトな高揚する「大勝」を意味する結果ではなく、
まるでフォールのような「大敗」「惨敗」という結果になったのでしょうか。
それについて、以下のように考えました。
●乙女土星（自民党）←<エグザルト：ＭＲ>→天秤水星（党首）：
まず。ここでの「天体のエグザルテーション」を、「選挙結果」とみなすのではなく、
「党」と「党首」の関係に置き換えて考えると意味が通るのでは？と思いました。
「乙女土星＝自民党」の「ドミサイル天体→党首」とみなすのであれば、自分は納得がいくのです。
＃選挙当日に目立つのが、乙女土星ドミサイル天体「天秤水星」が置かれたキビシイ天体配置です。
所を得ることのできない「党首：天秤ぺリグリン水星」は、
「山羊冥王星＆蟹フォール火星180度」と90度でのアスペクト。
現代占星術でいう「カーディナル・サイン間のＴスクエア」の渦中にあります。
上記の天秤水星（党首）の状況を、乙女土星（自民党）はＭＲによって「見ない振り」をする訳にはいかず。
「天秤水星のトラブル、極端な打撃とショック、落胆」を受け取らざるを得ない結果になったのではないか。
乙女土星がＭＲによって引き寄せたもの。レシーブしたもの。それが「大敗」だったということです。
●エグザルテーションの解釈：
そしてもうひとつのポイントは「エグザルテーション」が示す象徴とその解釈です。
＃ここでの文脈で思い当たるのは「実際以上の価値をもたせる」「過大評価」という解釈です。
レセプションの解読にもさまざまな方式がありますが、自分のお気に入りは、
ジョン・フローリー氏の書籍で紹介されている、氏独自の「レセプション解釈と応用」です。
レセプションの機能に、天体間で生じる「ディスポジション（傾向、気質）」とを組み合わせて、
天体の「行動の傾向、特性」を探る読み方です。それを応用して考えてみると、
恋愛関係にありがちな「なんて素晴らしい人だ！この人こそ運命の人だ！」という錯覚と同じことが、
この30度のエグザルテーション天体間のＭＲにも生じていたのでは？と思うのです。
実際には党首としての適正に欠けている人物を「この人しかいない！」とエグザルトして担いで。
必要以上に、過大評価していたのではないか。
同様に、実際にはすでに党としては死に体であるにも関わらず「まだイケる。我が党は大丈夫。磐石だ」と。
過大評価してしまっていたのではないか。見誤ったのではないか。
乙女土星に見立てた自民党は、ドミサイルな党首を「エグザルト」し続けようと盲目的に努力し。
党首に見立てた天秤水星も同様に、党を「エグザルト」し続けようと努力した。
しかしここでの乙女土星と天秤水星の隣り合う30度サイン間でのエグザルテーションのＭＲでは。
お互いを過大評価し合うことで。まわりが「見えなくなり」、冷静な状況判断に欠けた状態で、
第三者から見れば一目瞭然のことが。わからなくなっていたのではないのか。
いわば「自分たちだけの世界」にハマり込み、自覚できなくなっている、
そういう状況を、このエグザルトなＭＲが示すように思えました。
天秤水星も乙女土星も、実際の天体の品位は「ぺリグリン」にすぎません。
けして、所を得てはいません。
そして「カーディナル・サイン間の、タイトなＴスクエア」は、天秤水星の置かれた現状を、
客観的にキビシク明示しています。（失言も迷走も。。あまりに多かったですからね）
また、天秤サインにとっての火星は「デトリメント」な象意を表す天体でもあります。
蟹サインで火星の品位は「フォール」で損なわれています。
蟹火星は山羊サインのエグザルト天体ですから、山羊冥王星効果を180度でレセプトします。
これは、古典占星術のMorinがいうところの「ダメージを伴うレセプション」です。
「天秤水星（党首）」が90度でアスペクトする「蟹フォール火星」の「ダメージ：失墜、失意、落胆」の状態が、
今回の選挙結果の痛手、致命傷の象徴であるかと思われます。
そしてこの「天秤水星（党首）」は、1週間後には順行から逆行に転じる寸前の。
失速している状態だったということも。言葉にするとなんともヤボですが。
象徴的で意味深だと思うです。
★ここでの個人的な教訓：
「ミューチュアル・レセプション」といえども。しょせん30度サイン間である場合には注意が必要で、
当該天体の品位、天体配置という各種状況を精査せずして、結果の判断はできないのだなということです。
●乙女土星と、山羊冥王星＆山羊月： 120度サイン間のレセプション
それとはまた別に。
乙女土星（自民党）は、山羊サインのドミサイル天体です。山羊冥王星とは乙女土星は、
120度のサイン間でアスペクトをしています。これも広義の「レセプション」とみなすなら、
乙女土星（自民党）は「山羊冥王星の極端で徹底的な破壊と再生」の象意を受け取らざるを得ず、
責任を取らずに済ませる訳には、もうさすがに、そうは問屋がおろさなかったのだということで。
ついでにいうと。
30日の日曜は一日中、山羊サインをトランジットの月が通過中でした。
投票開始時間前に、上記「カーディナル・サインのＴスクエア」とアスペクト後の「月」です。
山羊での月はエッセンシャルな品位がデトリメント。月を「国民感情」「国民の興味、関心の対象」と考えると。
乙女土星はここでも、Morinいわくの「ダメージを伴うレセプション」によって、
120度サイン間で、山羊デトリメント月の痛手を我が身に被るハメになったように思えます。
●魚天王星： ドミサイル木星とエグザルト金星の状況
さてもう一方の、魚天王星(民主党)側のドミサイル天体木星は、どういう状況かというと。
ここ最近の海王星合効果で「拡散、拡大、インフレ」の真っ最中です。
魚天王星のエグザルト天体獅子金星は、天秤水星と60度でアスペクト。
ここにもレセプションが見てとれます。
天秤水星が失った票を、獅子金星側がレシーブして、受け取って、いわゆるタナボタでの
大獲得になったのかなと思えます。
しかしながら、レセプションの観点から考えると。
魚天王星と獅子金星は150度で、本来はお互いが「見えない」サイン関係にあります。
魚天王星と水瓶木星は 30度で、やはりお互いが「見えない」サイン関係にあります。
魚サインのドミサイル天体の木星は、魚サイン天王星を受け取ることができず。
魚サインのエグザルト天体の金星は、魚サイン天王星を受け取ることができません。
本来なら、水瓶木星の「海王星との合：インフレ効果」も、
獅子金星の「天秤水星との60度のレセプション効果」も。
アスペクトできないサイン位置にある魚天王星へ還元されることは
一見、ありえないハズなのですが。
＃ここで思いあたるのが、天王星が「不確定要素」の象徴だということです。
現代占星術で「天王星」に割り当てられたキーワードは「予期できない、意外な、突発的な、ハプニング」。
そうであるからこその、今回の結果だったのだと思います。
魚天王星側に、ここまで大量に票が流れ込むとは。 さすがにこれは「予想外」であり「意外」だったからです。
アスペクトの「見る」という原義の意味からの連想として。
30度と150度というサイン間の関係性が「見えない状態」→「よくわからない状態」の象徴だからこそ、
フタを開けるまではわからなかった「予想以上の大勝」という結果にうなずける次第です。
★ここでの個人的な教訓：
30度と150度というサイン間の関係性を考えさせられました。
当事者が「無自覚」で「認識しにくい」「盲点」とか、
「客観的に判断しにくい」事象を表すのかもだなと思えてきました。
ハウスシステムの事象に置き換えて考えてみると。
例えば自分を基準にした「1ハウスと６ハウス」や「1ハウスと12ハウス」間での関わりでは。
確かにそこに示されている「当該の事象」の「事の大きさ」を自覚しにくいことが多いので。
現代占星術で30度や150度のことを「親和性のない対象、調整が必要な事柄」を表わすといいますが。
今回、30度や150度の「アスペクト不能な事象」に対しての「冷静な判断」「客観的な認識」の必要性を、
感じさせられました。これはもう、肝に銘じなくては！です。
★個人的な印象＆あらたな疑問：
以上のように考え続けてきて、個人的な印象では。
今回の選挙は、乙女土星（自民党）側の、ドミサイル天体天秤水星（党首）の、
ひときわ際立つ分の悪さに示され、ＭＲで招き寄せた身から出たサビの「大敗」で。
魚天王星（民主）側は「漁夫の利」で得た「想定の範囲外の大勝」となったという。
これは、強引に「乙女土星（自民党）」vs「魚天王星（民主党）」に割り当てての試みでしたが。
さすがに３回目の「土星天王星180度」前後にシンクロした選挙＆組閣だけのことはあり、
世評ともマッチしているように思えました。
その後にあらためて、麻生氏と鳩山氏の出生図を見直すと。「なるほどー」と思うことしきりです。
これはまた、時間がある時に書いて整理したいなと思いました。
＃しかしここで。あらたな疑問が。
８月30日の時点で「与党：乙女土星＝自民党」VS「野党：魚天王星＝民主党」とみなした場合。
選挙結果によって、与党と野党の立場が逆転したことを得て。
はたして。現在は「与党：乙女土星＝民主党」VS「野党：魚天王星＝自民党」とみなして
良いものなのかどうか？ということです。
それともまだまだ。ここ当分は天体の割り当てはそのままの状態で。
「与党：魚天王星＝民主党」VS「野党：乙女土星＝自民党」とみなすのが良いのでしょうか。
よく考えたのですが。ここはやはり後者と仮定して。
トランジット「土星（野党の自民党）」はまもなく10月末に天秤にイングレス。
舞台装置が変わり、来年春までの間「土星と天王星180度」からの戦線を離脱し、
それどころではない状況に突入します。
そして「与党：天王星」の魚サインのドミサイル天体の、水瓶ぺリグリン木星の状況は、
魚イングレスまでの当分の間、水瓶海王星の影響化にさらされ、膨れ上がった議席を抱え、
魚天王星をハンドル不能な状況が続きます。こちらはこちらで当分楽観できない状態が続きます。
今後も実際の政治の進展を鑑みつつ。熟考せねばと思います。
▼参考チャート 2009.09.17
参考資料として、以下、関連チャートをＵＰします。
●自民党と麻生前総理チャート
●民主党と鳩山新総理のチャート
●建国図チャート
